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変容する世界

ーベーシック・インカムのある社会ー

Y Combinatorが、ベーシックインカムの検証実験を計画中

6月上旬、ベーシックインカム(BI)についてこんなニュースが取り上げられていました。

 

jp.techcrunch.com

 

Y Combinator(Yコンビネーター)とは、アメリカ発のテック系ベンチャーキャピタルです。2010年、雑誌Forbesで「世界を変えるテック系インキュベーター10選」に選出され、テック分野を先導する、世界から注目を浴びている投資企業の一つです。

 

そのY Combinatorが、拠点とするカリフォルニア州オークランドにおいて、BIの5年間の検証実験を計画中と発表しました。

 

現在世界中で実施されているBIのテスト導入は、各国自治体レベルに留まります。そのため、財源も同様に自治体または上例のような投資家・企業から拠出されています。しかし、将来的に国家での導入に至る場合、一番大きな問題の一つは財源です。支給通貨においては、仮想通貨や現金など様々な手段が議論・検証されているようですが、現金の場合は国家予算に直結します。そのため、政治分野に携わる人々、特に社会保障が充実している北欧諸国以外、とりわけ日本人からは、BI導入の反対意見を多く聞く印象があります。

 

それに比べて、テック業界では積極的な導入が検討されているように感じます。初回の記事でも触れたように、テクノロジーの進化とBIは非常に親和性が高いです。Y Combinatiorのようなテック分野の進化を牽引し時代を作る企業にとって、自分たちが生み出すテクノロジーやサービスがある世界に住む、未来の社会や人々の暮らしについて考慮することは当然のことなのでしょう。私自身も、先にシンギュラリティに興味を持った後は、自然とBIへ関心を持つようになりました。

 

話しは脱線しますが、先日の参議院選挙の一連のニュースを見て非常にがっかりした私にとって、今の日本の政治家達よりも、テック業界に携わる人々の方がよほど未来の社会作りに貢献しているように思えてなりません。

 

 Y Combinatorの会長のSam Altmanは、下記のように述べています。

検証期間中、いかなる状況でもベーシックインカムを提供し続けます。参加者はボランティア活動をしてもいいですし、仕事をしてもしなくてもいいのです。海外に引っ越しても構いません。なんでもできます。私たちはベーシックインカムが自由な行動を推奨することに期待し、この研究では人がその自由をどのように体験するかを知りたいと思います。

 

マズローの欲求5段階説に基づけば、BIは下から二つの「生理的欲求」と「安全欲求」を満たします。次いで、「社会的欲求(帰属欲求)」→「尊厳欲求」→「自己実現」と続きますが、このピラミッドの順番のように人間の欲求は上がっていくのでしょうか?私はそのようには思いません。資本主義社会で経済成長を遂げてきたこれまでの時代においては、この原理が働いていたのかもしれません。しかし、テクノロジーの進化とBIのある衣食住+金銭的欲求が満たされた社会では、資本主義経済は崩壊すると思っています。そうなると、生きる上での最低限の欲求が満たされた世界では、人々はより創造的な生き方をするのではないかと思っています。また、BIは貧困を緩和し個々人の格差を少なくするので、必然的に競争意識が減ると思います。すると、人はより社会的な繋がりを求めるようになるのではないでしょうか。

 

生まれた瞬間から自己実現ができる世の中であれば、そもそもその欲求すら生まれないはずです。そうした世界で、人は何に喜びを感じ、何を求め、何を表現していくのでしょうか。

思っているよりもそう遠くはない、未来の話しです。

 

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